呼吸と立ち直りと。
3日前のこと。
“東北の未来を考える”という内容のシンポジウムが、仙台駅前のとあるビルで開催された。
しばらくお会いしていない知り合いが運営にかかわっているというので、仕事を早めに切り上げて参加させていただいた。
本題の講演もよかったが、シンポジウムの後半、呼吸法を取り入れたリラックスタイムがあって、それが思いのほか良かった。
椅子に座った状態で、前のめりにからだをそらす。顎をあげて、顔も上方へあげる。
その状態のまま、腰の仙骨あたりに両手をあてて、上体をまっすぐに仙骨に載せるイメージで体を起こす。
腰がすわった状態になる。内腹の筋肉が、自然にきゅっとしまった感じになる。
ここから、呼吸法。
腹式呼吸で、そっと、息を吸ったり吐いたり。力まないで、少しずつ。
そんな指導だった。終わったあと、体が変わった気がした。
インストラクターの方は、東日本の被災地をまわって、仮設住宅でくらすひとたちに無料で呼吸法を教えていたそうだ。体調不良をかかえたひとが多かったと語った。
ふと思えば、わたしも呼吸が浅くなっていたなあ。ここ何年も。
こんなに自分の呼吸を意識したこと、あったかな。
呼吸ひとつ。
簡単に見えるけれど、おろそかにできない。
一呼吸、一呼吸。一歩、一歩。
立ち直りには、呼吸法が効くのかな。
呼吸と、歩みは、似ている。
帰り道は、ずっとそのことを考えていた。